運動イメージは筋収縮や運動を伴わずに脳内で運動をリハーサルする心的過程であり、運動イメージと実運動は多くの共通した神経基盤をもっている背景から、臨床への応用が期待されている。
運動イメージが運動技能を向上させるためには、どのように運動をイメージさせるかが重要であるとされてきた。特に動作の感覚や経験を想像する「筋感覚的イメージ」は有用であるとされているが、このイメージ戦略はトレーニング後に達成できる筋肉の動きの感覚に依存している。そのため実施難易度が高く、臨床応用するうえでの1つの障壁となっていた。
関西医療大学の福本 悠樹助教は、同学大学院の研究科長 鈴木 俊明教授の研究室にて、効果的な運動イメージの実践方法について研究を続けていた。今回、東藤 真理奈助教、文野 住文講師、米田 浩久教授、谷 万喜子教授も加わり、筋感覚的イメージをより実現可能なものにするための条件について解明を試みた。
研究の結果、筋感覚的イメージの実施に加えて運動に関連する情報も付与することで実施難易度が下がり、運動技能向上につながりやすいことが明らかとなった。本研究から得られた知見は、運動イメージを臨床応用していく上での重要な知見になると考えられる。
論文情報:【Scientific Reports】Differences in motor imagery strategy change behavioral outcome