大阪公立大学大学院生活科学研究科の加登遼助教と瀧澤重志教授の研究グループが大阪府、京都府、兵庫県を対象に人流の相対的変化と新型コロナウイルス感染者数の関係を分析したところ、食料品店や薬局、公園での人流と感染者数の関係が強いことが分かった。
研究グループは2020年3月から2021年9月までの間、大阪府、京都府、兵庫県で食料品店、薬局、公園、職場、住居、小売店、公共交通機関の人流と2週間の合計関係者数の関係を分析した。
それによると、新型コロナの感染拡大が問題になった2020年3月以降は住宅地を除くすべての場所で人流が減っていたものの、食料品店と薬局の人流は2021年5月以降に増加していた。公共交通機関での人流と感染者数は関係性が弱いことが明らかになったが、食料品店と薬局での人流は-5%から+5%の範囲内、公園での人流は-20%以上に抑えることが必要と分かった。
研究グループはこの結果が新型コロナの感染拡大防止にすべての人流を抑制する必要がなく、感染状況に応じて特定場所の人流を抑えることで効果が出ることを示唆しているとみている。
さらに、ポストパンデミックに向け、自動車を使わずに公共交通機関を利用した歩きやすい街づくりの必要性も示唆したと考えている。
論文情報2:【npj Urban Sustainability】Human Mobility and Infection from Covid-19 in the Osaka Metropolitan Area