中部大学と名古屋市立大学、製薬大手の第一三共、三菱UFJフィナンシャルグループのベンチャーキャピタル・三菱UFJキャピタルは、がん温熱療法の共同研究を始めた。3年間共同研究を続け、新しい温熱療法の確立を目指す。
中部大学によると、がん温熱療法はがん細胞が通常の細胞に比べて熱に弱い点に着目し、細胞を加温することによってがん細胞だけを殺傷する治療法。放射線療法や化学療法、免疫療法との併用で効果を上げることが期待されている。
今回の温熱療法研究では、効率よく加熱が可能な新装置を開発し、安全かつ効果的な治療法の確立を目指している。中部大学からは応用生物化学部の堤内要教授、山口作太郎超電導・持続可能エネルギー研究センター長らが参加する。
共同研究を進める新会社「オイデリョーウン」が1月、東京都中央区に設立されており、共同研究に必要な資金は三菱UFJキャピタルが運営するオイデファンド投資事業有限責任組合から全額が出資される。
第一三共はがん創薬部門を重点分野と位置づけており、3年間の研究で目的を達成した場合、オイデリョーウンの全株式を買い取り、自社案件として研究開発を続ける。中部大学と名古屋市立大学に対しては、目標達成時や販売後に一定のロイヤリティを支払う。