中部大学の大西素子教授らは、サンエイ糖化株式会社(愛知県)と共同で、オリゴ糖の「マルトビオン酸」が骨成分の流出を抑え、骨成分の維持に役立つことをヒト臨床試験で明らかにした。今回、マルトビオン酸を関与成分とした機能性表示食品の表示申請が消費者庁に受理された。

 カルシウムの貯蔵庫である骨は、骨芽細胞(骨を作る細胞)による骨形成と、破骨細胞(骨を壊す細胞)による骨吸収を繰り返し、1年間に20~30%が入れ替わる(骨代謝)。骨吸収が骨形成を上回り骨密度が急激に低下すると骨粗しょう症のリスクが高まる。

 研究チームは約5年前から、ハチミツ含有成分のマルトビオン酸に注目し、骨の健康維持機能の効果を調査してきた。評価試験では、マウス大腿骨由来の骨髄細胞にマルトビオン酸を添加すると、破骨細胞の分化が抑制された。また、卵巣を切除した閉経モデルマウスにマルトビオン酸含有飼料を与え、80日間飼育した結果、大腿骨中のカルシウムや骨密度の減少が有意に抑制された。

 さらに、40~60代の女性を対象に、マルトビオン酸を含む顆粒を1日4g、4週間摂取するヒト臨床試験を実施。その結果、33人(閉経後1年以上経過)について骨中のコラーゲン成分の流出が抑えられた。またマルトビオン酸は難消化性のオリゴ糖であるため、同時に便通改善効果や整腸機能も確認された。

 これにより、「骨の成分の維持に役立つ」「お通じを改善する」などの機能性表示食品の関与成分としてマルトビオン酸が初めて受理された。今後、健康食品や一般食品への利用が拡大することが期待される。現在、ミネラル吸収促進効果や骨密度改善効果についても、ヒトに対する効果を調査中という。

論文情報:【Food Science & Nutrition】Effects of corn syrup solids containing maltobionic acid (maltobionic acid calcium salt) on bone resorption in healthy Japanese adult women: A randomized double-blind placebo-controlled crossover study
【Journal of Applied Glycoscience】In Vitro Utilization Characteristics of Maltobionic Acid and Its Effects on Bowel Movements in Healthy Subjects

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