国内の一部大学で外国人留学生が大量に行方不明となった問題で、文部科学省は全国の国公私立大学長、国公私立高等専門学校長に外国人留学生の受け入れと在籍管理を徹底するよう求める通知を送った。

 文科省によると、通知は高等教育局の小林洋介国際担当参事官名文書。外国人留学生の受け入れについては、修学を目的とし、目的達成に十分な能力を持つかどうかを適切に判定したうえで、進めるよう求めている。

 在籍管理では、長期欠席者や学業成績が良好でない学生に対して連絡や指導を徹底するとともに、改善の見込みがない場合に退学を協議するなどの対応を要請した。

 コロナ禍の外国人入国制限が緩和されつつあるのを受け、日本の大学などで学ぶ外国人留学生の受け入れが回復傾向に入ったことから、通知を出した。

 国内の18歳人口が少子化の影響で急激に減少していることで入学生を確保できずに定員割れが続き、経営が悪化している大学が出ている。これを打開するため、海外から大量の留学生を十分な判定をせずに受け入れる例があるとされる。2019年には外国人留学生約1,600人が行方不明となっていることが文科省の調査で明らかになっており、留学が不法就労の抜け穴になっているとの見方もあり、再発防止のために先手を打った形だ。

参考:【文部科学省】外国人留学生の適切な受入れ及び在籍管理の徹底等について(通知)

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。