千葉大学環境ISO学生委員会と株式会社京葉銀行は、2017年度よりSDGs達成に向けてecoプロジェクト※を実施している。今回その一環として「地震防災」と「フレイル予防」を啓発するパンフレットと動画を作成し、2023年6月20日(火)より京葉銀行の営業店にて動画放映、6月21日(水)よりパンフレットの配布を始めた。
千葉県では近い将来、首都直下型地震、相模トラフ沿いの海溝型地震が深刻な被害を及ぼすと想定され、首都直下型地震は東日本大震災を超える甚大な被害が予想されている。また、日本の高齢者人口はますます増加しており、2065年には1.3人の若者で、高齢者1人を支えていかなければならないと予想されている。「フレイル」とは年齢とともに体や心の働きが低下し、社会的なつながりが弱くなり、介護が必要になる/寝たきりになる可能性が高まる状態のことをいう。早く対策を行えば元の健康な状態に戻ることができるため、高齢者が増えている現代社会においては、フレイルに早く気付き、正しく治療や予防をすることが重要となる。
このような社会状況を背景に、準備や予防がとても大切になる「地震防災」と「フレイル予防」について、シニア層に自分事と捉えて備えをしてほしいと学生たちがパンフレットと動画を作成した。「地震防災」と「フレイル予防」、2種類のパンフレットは、学生が内容を考え、執筆・編集し、専門家の監修のもと完成させ、各4000部作成した。「地震防災」パンフレットでは、千葉県全体と千葉市周辺における地震の種類とそのリスク、地震発生前と後の対策などを丁寧に紹介。「フレイル予防」パンフレットでは、フレイルについての説明や予防方法のほか、シニア層が楽しく出かけられるよう、大学生が選んだ千葉県のおすすめスポットも紹介している。
また、学生たちは「地震防災」と「フレイル予防」のパンフレットの内容を紹介する数分間の動画も作成。クイズ形式で問いかけをしたり、学生が実際にグッズを身に着ける様子を入れたりするなど工夫した動画となっている。
企画を担当した学生リーダーの鈴木ほの香さんは『フレイル予防と地震防災は一見関係のないトピックですが、ターゲットをシニア層に絞ることで共通点ができました。パンフレットは、これまで考える機会が少なかった「シニアの方目線のフレイル・地震」について改めて考えて情報収集したりと学びも多く、非常に貴重な経験になりました。動画に関しては、効果的に伝えるデザインはどんなものかをメンバーひとりひとりが考えて作成したため、完成した時は達成感がありました。少しでも多くの方にご覧いただけたら嬉しいです。』とコメントした。
※「千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト」
千葉大学と京葉銀行は2012年に包括連携協定を結んでおり、千葉大学で環境活動を主体的に担っている環境ISO学生委員会と京葉銀行が協同で、2017年から「ecoプロジェクト~7色の虹を千葉から未来へ」を実施している。プロジェクトでは、SDGsの達成に向けて、まずは「地域の環境負荷削減と環境意識向上に貢献したい」という想いで、京葉銀行の行員や取引先企業、地域、千葉大学の学生などを含めた千葉県内の多くの住民を対象に、環境意識の啓発活動を実践している。