特定非営利活動法人タイガーマスク基金は、児童養護施設で暮らす子ども、巣立つ子どもたちへの支援の一環で、働きながら大学に通う児童養護施設出身の学生に返済不要の奨学金を届けている。今回41年ぶりの物価高騰の影響でタイガーマスク基金「進学支援制度」に応募する学生の数が過去最高となったことを受け、困窮する学生たちの「学び」を支えるために、月々1,000円から参加できる「タイガー進学サポーター」を2023年8月31日(木)まで募集する。
子ども家庭庁の発表によると、全高卒者の56%が大学等への進学を果たしている現在でも、児童養護施設出身者の進学率は22%程に留まっている。様々な事情により家族と離れ、社会的養護の下で育った子どもたちは、高校を卒業して施設を離れても、実家に頼ることはできず、その多くが18歳で自立を強いられる。身近に頼れる大人はおらず、生きるために働かなくてはならないため、進学を断念している若者も多くいる。
タイガーマスク基金は、漫画「タイガーマスク」の原作者 故・梶原一騎氏の妻である高森篤子さん(故人)が、2010年の年末に拡がった「タイガーマスク運動」をブームで終わらせてはならないと設立した。公的な奨学金にプラスして、働きながら大学に通う学生に公募により返済不要の奨学金(4年間で30万円)を届けている。
この「進学支援制度」に全国の児童養護施設出身者から毎年30名程の応募があったが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、アルバイト収入が減少した学生たちからの応募が増加。過去最高の68名から支援を求める申請書が届いた。アルバイトで生計を支えている学生たちは、もともとギリギリの生活を強いられており、数十円・数百円単位の負担でも、日々の生活への影響は深刻だ。
そこで、1年間定額(一口1,000円から)の寄付を行う「タイガー進学サポーター」を2023年8月31日(木)まで募集する。毎月5,000円で一人の学生をサポートでき、学生からは年に2回、近況報告の便りが届く。(5,000円以下の場合は、複数人で一人の学生をサポートする)。学生の進級の状況に応じて、そのまま卒業まで継続してサポートする人が多く、2012年からこれまでに8,600万円の支援金を1,046名の学生に届けている。
募集している「タイガー進学サポーター」は、月々5,000円の進学サポーター30名、月々3,000円の進学サポーター50名、月々1,000円の進学サポーター150名。進学サポーターへの申込や寄附の情報はタイガーマスク基金ホームページを確認のこと。
参考:【特定非営利活動法人タイガーマスク基金】働きながら大学に通う児童養護施設出身の学生を応援 月々1,000円からの「進学サポーター」を8月31日まで募集