京都大学は工学部の工業化学科を2024年度から理工化学科に名称変更する。化学の基礎から応用にわたる分野を基盤として社会の期待と要請にこたえる技術者を育成してきたが、名称のイメージと齟齬が拡大したためで、普遍的な学科の理念を端的に表す名称とする。
京都大学によると、工業化学科は京都大学で最も歴史の長い学科の1つで、大学開校の翌年に当たる明治時代の1898年に理工科大学の1学科として開設された。その後、1993年に科学系学科の統合再編があり、新しい内容の工業化学科に生まれ変わっている。
現在は入学定員235人。入学から1年半の間、共通のカリキュラムで数学や物理学、化学の基礎を履修するとともに、2年生から物理化学、有機化学、無機化学、分析化学、化学プロセス工学などの基礎から高レベルの教育を受けている。
2年生の後期からは2:3:1の比率で創成化学コース、先端化学コース、化学プロセス工学コースに分かれ、将来の専門分野に応じた教育に入る。創成化学コースは新しい機能を持つ材料創成のための化学、先端化学コースは分子レベルの反応・物性の理解、新規化合物の合成など、化学プロセス工学コースは分子レベルから地球環境に至るまであらゆるシステムにおけるエネルギーと物質の変換・移動課程を専門分野としている。