徳島大学は南海トラフ巨大地震など大規模災害時の遺体検視で徳島県警、徳島県医師会、徳島県歯科医師会と協力協定を結んだ。徳島大学は県警から依頼があれば、法医学が専門の意思を被災地へ派遣、検視を進める。

 徳島大学によると、協力協定の締結式は徳島県徳島市幸町の徳島県医師会館で開かれ、徳島大学の河村保彦学長、徳島県警の松林高樹本部長、徳島県医師会の齋藤義郎会長、徳島県歯科医師会の松本侯会長が協定書に署名した。このあと、松林本部長は協力体制が整ったことに感謝の意を表した。

 続いて徳島大学大学院医師薬学研究部の西村明儒教授が基調講演し、実際の災害時には訓練の半分程度の対応しかできず、南海トラフ巨大地震の発生で四国が孤立して他県からの支援が滞ることに備えた対応が必要になることを強調した。

 南海トラフ地震は今後30~40年間に70~80%の高い確率で発生すると懸念されている。徳島県では最悪の場合、太平洋に面した南部や東部の紀伊水道沿岸を中心に3万1,300人の死者と11万6,400棟の全壊建物が出ると予測され、遺体の検視や身元確認が難航する可能性があると指摘されている。

参考:【徳島大学】大規模災害時における遺体検視等に関する協力協定を締結しました

徳島大学

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