順天堂大学と医療AI(人工知能)プラットフォームのエムスリーAIが共同研究した心エコーAIの共同研究が、北米心臓病協会(AHA)の最新科学トピックに採用された。心エコー検査にAIを導入することで検査時間を短縮でき、担当者の負担を軽減できるとする内容で、米国のシカゴで開催された「Scientific Sessions 2024」で、研究代表統括者を務めた順天堂大学医学部の鍵山暢之特任准教授が研究内容を発表した。
順天堂大学によると、研究グループは心臓病患者の心エコー検査にAIを使用する日と使用しない日を決め、検査担当者のパフォーマンスと読影制度を比較、研究した。その結果、AIを利用すれば計測項目を25から85に増やしたにもかかわらず、1日当たりの1検査室の検査数が14.1件から16.7件に増加した。担当者の疲労も大きくならなかった。
心臓疾患は世界各国で死因の上位にあり、日本では第2位になっている。超高齢化社会が進む中、今後さらに増加すると見込まれているが、検査技師の不足と検査手技の難しさから、すぐに検査を受けられる体制ができていない地域もある。
人手不足が深刻さをまし、検査技師の確保もなかなか進まない。研究グループはこうした状況を打開し、検査の必要がある人がすぐに検査を受けられる体制を全国に構築するには、AIの導入が必要とみている。
参考:【順天堂大学】順天堂大学・エムスリーAIの心エコーAIの共同研究が北米心臓病協会(AHA)の最新科学トピックに採択