北海道大樹町で商業宇宙港「北海道スペースポート」を運営するSPACE COTAN(スペースコタン)が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金による支援事業に採択された。スペースコタンは次世代ロケット発射場に必要な技術開発を進める。
スペースコタンによると、技術開発は室蘭工業大学や岩谷技研、NECネッツエスアイ、応用気象エンジニアリング、清水建設とともに進める。複数種のロケットを高頻度で打ち上げるのが目的で、
・打ち上げ時の射点や飛行経路の風速、気温、氷結層など気象関係の高精度予測
・複数種のロケット打ち上げに対応できる地上系とロケットのインターフェイス共通化
・複数種のロケットに共用可能な極低温推進薬の貯蔵、高速充填など管理技術
・複数種のロケットと通信を可能にする共通無線技術
-を開発する。
北海道スペースポートは民間企業や大学、研究機関が自由に使えるアジア初の商業宇宙港として2021年春に本格始動した。札幌ドーム9個分の敷地と長さ1.3キロの滑走路を備え、多様な角度、方向へのロケット発射ができる。
宇宙戦略基金はスタートアップ企業や大学などが複数年にわたって大胆な技術開発に取り組めるよう創設された。「輸送」、「衛星等」、「探査等」の3部門で技術開発テーマを設定し、10年間で1兆円規模の支援を予定している。
参考:【スペースコタン】SPACE COTANが宇宙戦略基金に採択|ロケットの打上げ高頻度化を目指した射場基盤技術を開発