全米大学体育協会(NCAA)をモデルとした国内の大学スポーツ統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)が197大学、31団体が参加して発足した。ビジネス化に向けた長期戦略の確立や収益向上という課題を抱えているものの、2025年に400大学参加の目標を掲げている。
スポーツ庁によると、初代会長には早稲田大学の鎌田薫前総長、副会長には元マラソン選手の有森裕子さん、顧問には日本サッカー協会の川淵三郎元会長らが就任した。大学や競技団体を一元的にまとめるとともに、指導者の研修や学生向けの相談を行う。
大学スポーツをビジネスと位置づける役割も期待されており、年間1,000億円以上の収入を持つNCAAを手本に、試合の映像配信事業などを進める。2019年度は20億円の収入を目指している。
鎌田会長から設立の報告を受けた鈴木大地スポーツ庁長官は「これまで異なる考え方の下で大学スポーツに関与してきた大学と競技団体が、同じプラットフォームでともに歩み始めることを期待する」とのコメントを発表した。
4月26日までに加盟申請した大学と団体が創立メンバーとなる。青山学院大学や立命館大学、法政大学などが既に参加しており、手続きが遅れていた東京大学や早稲田大学も加わる予定だが、有力校で参加の意思を明確にしていないところも多い。
中学や高校の運動部には、日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟という統括組織があるが、大学にはこれまでそうした組織がなかった。