産業技術短期大学(兵庫県尼崎市)を運営する学校法人鉄鋼学園は理事会を開き、2026年度以降の学生募集停止を決めた。18歳人口の減少や若者の短大離れ、国内鉄鋼業界の低迷などから、大幅な定員割れに陥っていた。

 産業技術短期大学は1962年、技術者不足に悩んでいた鉄鋼業界団体の日本鉄鋼連盟が関西鉄鋼短期大学として開学した。1988年に現名称に変更し、鉄鋼業とその関連産業の技術者養成を目指して入学生を募るとともに、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所など鉄鋼業界から社会人学生を受け入れてきた。これまでに送り出した卒業生は約1万5,000人に上る。

 全国唯一の総合工学系短期大学で、機械工学科、電気電子工学科、情報処理工学科の3学科を設置。産業界が設立していることもあり、好不況に関わらず優良企業からの求人が豊富。学びを深めたい学生には国公立大学をはじめとした多くの大学への編入学をサポートしているのも特色で、最近5年間で国公立大学15校に39名、私立大学26校に117名合格の実績を持つ。2025年度実績では関西大学や龍谷大学など12大学に指定校推薦枠がある。

 しかし志望者減少により2018年度に専攻科(生産工学専攻、電機・情報工学研究)を廃止し、2023年度にはものづくり創造工学科の学生募集を停止。他学校法人との統合検討など全学を挙げて教学改革や学生募集活動活性化に取り組んだが、2024年度の入学者は133名で2020年度の296名の半分以下となっており、回復の傾向が見られなかったことから募集停止を決断した。

参考:【産業技術短期大学】学校法人鉄鋼学園 産業技術短期大学令和8年度以降の学生募集停止について

大学ジャーナルオンライン編集部

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