2025年5月26日、包括連携協定を結んでいる東京藝術大学と東京科学大学は、東京科学大学大岡山キャンパス(東京都目黒区)で「科学と芸術 人類の未来」と題した共同シンポジウムを開催した。会場に集まった両校の学生、卒業生ら約110人だけでなく、オンラインで約160人が視聴した。
東京藝術大学によると、今回のイベントは2024年、東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して東京科学大学が発足したのに伴い、東京藝術大学と東京医科歯科大学が進めていた異分野交流を理工系に拡大する目的で開いた。
第1部では、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院の栁瀨博一教授と大岡山キャンパスのパブリックアート「ELEMENTS OF FUTURE」の監修を務めた大友克洋氏のトークセッションが放映された。大友氏会場では栁瀨教授が科学と芸術の融合をテーマに講演した。
第2部では東京科学大学元素戦略MDX研究センターの細野秀雄特命教授が「色とセラミックスの科学」、東京藝術大学の清水泰博名誉教授が「芸術と科学 アートシンキングで考えること」と題して基調講演した。
第3部では、東京科学大学の大竹尚理事長、田中雄二郎学長、東京藝術大学の日比野克彦学長が「つなぐ」「対話」「融合」をキーワードにパネルディスカッションし、最後に会場に集まった学生らと活発に意見交換した。来場者からは「また参加したい」「継続的な取り組みとしてほしい」といった声が寄せられ、今後の連携強化と科学と芸術のさらなる融合への期待が高まった。
東京藝術大学と旧東京医科歯科大学は2023年8月に包括連携協定を締結。東京科学大学の発足に伴い協定は引き継がれてアート・医療・工学の三分野融合を目指している。