武蔵大学(東京都練馬区)は、2027年度入学生から新カリキュラム「全学部に展開するデータサイエンス教育」「リベラルアーツ&サイエンス教育」をスタートし、近年世界に山積する複雑化・多様化した課題に対して、その本質を見極め、解決策を導き出せる人材を育成する。

 2027新カリキュラムの第1の特長は全学部に展開するデータサイエンス教育。入門レベルから応用、そして学部の専門性を活かした学びまで提供できるように、3層構造で設計している。第1層では全学部生を対象とした入門レベルのAI、メディアリテラシー、情報技術等に関する講座、第2層ではより深く学べるデータサイエンス副専攻や応用編、そして第3層では学部の特長を活かした専門的かつ実践的な講座やプログラムを学ぶことができる。

 連動して、各学部でもデータサイエンス系の新たな専攻・コースを設置する。経済学部では、ビジネスアナリティクスコースを新設。経済、経営、金融のデータを統計的に分析し、結果を実社会で活用できる人材を養成する。1年次は入学した学科で分析の基礎を学び、2年次以降は学科を自由に横断して、3学科(経済・経営・金融)の学生が交流する。

 人文学部では、デジタル・ヒューマニティーズ・プログラムを新設。デジタル・ヒューマニティーズ(DH)の学びを通して、AI技術を用いた人文知を身につけられる。

 社会学部では、情報社会デザイン専攻を新設。単なるデータ分析の学びではなく、これからの情報社会がどのように変化していくのか、新たに生じる社会課題は何なのか、それらをデータの利活用を前提に学ぶ。

 国際教養学部はビジネスデータサイエンス専攻を新設。統計学やプログラミング、機械学習などのデータサイエンスの技法と市場調査やビジネス課題の解決方法を学ぶ。ロンドン大学学士号(BSc Data Science and Business Analytics)が取得可能。また、現在の経済経営学専攻の名称を「経済・経営・国際関係専攻」に変更し、ロンドン大学の国際関係論の学士号取得ができるよう計画している。

 2027新カリキュラムの第2の特長はリベラルアーツ&サイエンス教育で、知の融合を目指し、他分野の基礎を学ぶ機会を設ける。「地球の自然史」「生物の進化」などの自然科学分野の科目に加え、「統計入門」「情報処理・AI入門」「基礎数学」などのデータサイエンスの基礎科目、さらに「経済学入門」、「歴史学入門」、「社会学入門」、「生命倫理学入門」などの各学部の専門領域の基礎を学べる科目を用意する。また、「地域連携ワークショップ」「サイエンスラボ講座(文理融合)」「分野横断型アカデミック・リーディング」「リーダーシップ実践」といった実践科目をブラッシュアップし、「リーダーシップ論」「人間形成と食物栄養学」などの講義科目を新たに用意することで、専門知と総合知を深めていく。

 なお、内容は計画中のため、変更が生じる場合がある。

参考:【武蔵大学】2027年度 新カリキュラムの特長

大学ジャーナルオンライン編集部

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