2025年7月22日、日本体育大学とスキマバイトアプリ「Timee(タイミー)」を運営する株式会社タイミーは、相互連携に関する協定を締結した。日本体育大学が運営する「NITTAIクラブ」で養成した部活動の養成指導者と、指導者を求める地域をつなぐ仕組みを構築する。また、日本体育大学の学生が学業とアルバイトを両立しやすい環境も整える。

 2025年5月、スポーツ庁は「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」において、中学校部活動の地域クラブ活動への移行推進を発表した。2031年度までに休日における部活動の「地域展開」を目指し、指導者の育成研修会の開催、スポーツ団体・文化芸術団体・民間事業者・大学等と連携した人材確保の取組み等が進められているが、多くの地方公共団体で指導者の量の確保等に苦慮している。

 日本体育大学は2024年4月「一般社団法人NITTAIクラブ」を設立。東京・世田谷キャンパスと横浜・健志台キャンパスで総合型地域スポーツクラブを展開するほか、国際基準に則った部活動の指導者の養成を進めており、部活動の指導者の確保を目指している。

 今回タイミーと日本体育大学は相互連携に関する協定を締結し、「NITTAIクラブ」で養成した学生および地域住民の部活動の指導者と、指導者を求める地域をつなぐ仕組みを構築する。同時に、約6割が運動部に所属している日本体育大学の学生において課題となっている、学業・部活動とアルバイトの両立を目指す。

 具体的には、「NITTAIクラブ」が養成した部活動の指導者をタイミーのプラットフォームを通じて学校側と円滑にマッチングするほか、タイミーの「1日・時間単位で、すきな時間、すきな場所ですぐに働ける」特徴を活かして指導に取り組みやすくする。学校側は指導者の数を確保できるだけでなく、タイミーの労務機能を使うことで契約や支払いにかかる負担軽減が期待できる。この取り組みは、2026年3月までに一部の地域で実証を始め、その結果を踏まえて他地域への展開を目指す。

 またタイミーのアプリ上に日本体育大学の学生向けの特設サイトをつくり、学生に配慮された求人を集約。それらの求人と学生とのマッチングの機会を提供し、学業・部活動等とアルバイトの無理のない両立を目指していく。

 今回の提携協定について株式会社タイミーの小川 嶺代表取締役は「すぐ働けてすぐお金がもらえるサービスがあったら良いのに、との思いから学生時代に『タイミー』のサービスを始めたこともあり、学校生活とアルバイトとの両立をテーマとした教育機関との協定締結は悲願だった」とコメント。日本体育大学との協業により、昨今の教育現場の課題解決にも切り込んでいく意気込みをみせている。

 日本体育大学の石井 隆憲学長も「日体大の運動部に入部するとアルバイトがほとんどできないという認識は、遠い昔からすべての部員に共通している。アルバイトの経験は間違いなく学生を成長させてくれる。スキマ時間を利用して社会とアクセスし、学生の活動の幅を広げるチャンスをいただいた」と語っている。

参考:【株式会社タイミー】タイミー、日本体育大学と相互連携に関する協定を締結 ーー日本体育大生の学業とアルバイトとの両立、中学校部活動の地域展開の実証を開始

大学ジャーナルオンライン編集部

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