2025年7月24日、公益財団法人山田進太郎D&I財団は、東京都内でSTEM(理系)分野への進学を目指す女子高校生を対象とした「STEM Scholarship Student’s PARTY」を開催した。これまでオンラインでのイベントは複数回行われてきたが、奨学生同士が顔を合わせて直接交流するのは今回が初めて。

 当日は、首都圏在住の2024年度奨学生、大学生や社会人アンバサダーあわせて約20名が参加した。クイズアプリ「Kahoot!」を使ったグループ対抗クイズ大会が行われ、アンバサダーが自身の研究や業務をもとに考案したオリジナル問題を通じて理系の専門的な話題にも興味を持って取り組む様子が見られた。

 さらに、女性社会人エンジニアと大学院生アンバサダーを招いたトークセッション「ぶっちゃけ座談会」も実施され、理系選択の理由や進路選択のプロセス、現在の研究・仕事のやりがいや悩みなど、リアルな声が共有された。参加した奨学生は真剣に耳を傾け、メモを取る姿も目立った。

 イベントの最後は、奨学生とアンバサダーが自由に会話できる「交流PARTY」で締めくくられた。前半はグループで近況や関心分野を話し合い、後半は進路や学び方について対話を深めた。進路や学業、将来に関する悩みや質問の共有、連絡先の交換など、学校を越えた新たなつながりも生まれた。

 イベント内では、奨学生限定のオンラインコミュニティ「スカラボ(Scholarship Lab)」も紹介された。このコミュニティは、全国の奨学生が進路や勉強に関して相談や情報交換ができる場としてDiscord上に開設されている。

 山田進太郎D&I財団は2021年度の助成事業開始から約1,700名を支援し、累計支給総額は約2億2,000万円。奨学金の活用方法は塾代や模試費、パソコン購入、体験プログラム参加費など幅広く、多くの奨学生が理系への一歩を踏み出している。進路に迷っている生徒も含め、所得や成績の条件なく応募可能で、スマートフォンから簡単に申し込み可能。2025年度も全国約500人を対象に一人あたり10万円の奨学助成金を給付する予定となっている。

参考:【公益財団法人山田進太郎D&I財団】
【開催報告】STEM(理系)女子奨学金、 初の奨学生を対象とした対面イベントを開催 仲間との出会い、ロールモデルの声──理系の世界が広がった日
2025年度 山田進太郎D&I財団 STEM(理系)女子奨学助成金

大学ジャーナルオンライン編集部

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