ロート製薬が琉球大学内に再生医療研究センターを建設し、寄贈しました。幹細胞と呼ばれる様々な種類の細胞に分化する能力を持った細胞を用いて、基礎研究や臨床研究を行っていきます。
一方で体内には万能でないものの、ある程度の分化能を持った幹細胞が存在し、再生医療研究の一端を担っています。ロート製薬ではそうした幹細胞の一種である脂肪幹細胞を利用し、病気の治療や予防につながる研究を行ってきました。脂肪幹細胞は他の幹細胞と比較しても多くの種類の細胞に分化する能力に優れています。また簡単に採取でき、大量培養が容易であるなどの利点もあります。幹細胞を用いた研究は失われた体組織を再生させるだけではなく、病気に侵された細胞を再現できる点でも注目を集めています。例えば新しく開発された薬の効き目を動物実験に頼らずに、人間の細胞で試験することが可能になるからです。
この産学連携の取り組みにより、世界各国が激しい競争を繰り広げている再生医療や新薬開発で沖縄から新たなブレークスルーが発表される日も近いかもしれません。翁長雄志沖縄県知事も「県民の医療環境の向上や産業振興に大きく寄与する。世界トップクラスの知的産業クラスターの形成を期待している」とのコメントを寄せています。