東洋大学は、33回目となる東洋大学主催「現代学生百人一首」の入選作品100首、小学生の部入選作品10首を発表した。国内外61,976首(569校)の作品が寄せられた。
「現代学生百人一首」は、東洋大学が1987年に創立100周年を迎えた際、「百」にちなんだ記念行事のひとつとして始めた事業。毎年大きな反響があり、第1回から第33回までの累計応募作品数は1,507,581首を数える全国で最も累計応募数の多い短歌コンクール(2020年1月15日東洋大学調べ)となっている。また、第30回からは文部科学省の後援も受けるようになった。
33回目となる今回のテーマは、「現代学生のものの見方・生活感覚」を詠みこんだ短歌であること。61,976首の作品が寄せられ、入選作品100首、小学生の部入選作品10首が選ばれた。6万首を超える応募があったのは2011年度以来8年ぶりで、「令和」への改元で万葉集が脚光を浴びたことも、短歌への関心に繋がったようだ。
応募作品からは、身近な出来事をクローズアップしたもの、世の中を俯瞰した冷静な視点、家族や友人を思う気持ち、現代のコミュニケーションにまつわる感情、自身の進路や未来への不安など、さまざまなアプローチが見られた。日常に抱く普遍的な悩みや喜びも、これから新しい時代を生きていく若者ならではの視点で詠まれたユニークな作品が多く寄せられた。
時事・社会問題を扱う短歌では、流行のスイーツだけでなく、環境問題や政治問題にも関心を示し、グローバルでボーダーレスな世界を実感しつつあるようすがうかがえた。また、コミュニケーションツールとして定着するスマートフォンに翻弄されたり、疑問を持ったり、拒絶したりと、身近であるがゆえにメリットもデメリットも感じている様子やせわしない毎日の中でふと立ち止まった瞬間を詠んでいる作品も見られた。
個人の入選作品のほか、学校全体で取り組み、多数の優れた作品の応募があった学校に贈呈する「学校特別賞」も5校選出された。受賞は、千葉県・芝浦工業大学柏中学校、神奈川県・慶應義塾湘南藤沢高等部、広島県・広島県立広島工業高等学校、徳島県・阿南工業高等専門学校、長崎県・佐世保市立祇園中学校。
入選作品は東洋大学のホームページで公開している。