金沢大学は、ディスプレイメーカーのEIZO(石川県白山市、実盛祥隆社長)、映像ビジネスを展開するPFUビジネスフォアランナー(石川県かほく市、神丸研一社長)と共同で、4K(4,000×2,000画素級)の超高精細映像のリアルタイム伝送を使い、血管内のカテーテル治療を遠隔地から指導するシステムの実用化研究を始めました。2017年の実用化を目指しています。
金沢大学によると、実用化を目指すシステムは、血管造影映像など治療に必要な医用画像を4K映像に合成して遠隔地にいる指導医のところへ伝送、指導医が音声と指示映像を送り返してリアルタイムで遠隔指導を実現する仕組み。
EIZOは医療用の4Kタッチモニターと4K映像合成装置を提供、PFUビジネスフォアランナーは4K映像の伝送装置とカメラ、音声機器、システムの統合を担当します。金沢大学は医療現場からアドバイスをする一方、実証実験を受け持ちます。
カテーテル治療は狭心症や心筋梗塞など心臓の冠動脈が閉塞して起きる疾患の治療法として効果がありますが、高度な専門的知識と熟練した技術が必要で、高難度の症例の場合、熟練した専門医が必要になるのが難点です。しかし、指導医が各現場を回るとなると、時間的な制約が大きく、緊急対応しにくくなっています。
このシステムが確立されれば、指導医の負担を軽減し、多くの治療を指導できるうえ、若い医師の施術機会が増え、手技や治療効果が向上するほか、地域医療の発展が期待できるなどさまざまなメリットが考えられます。