金沢大学は、デジタル地図などを制作する「インクリメントP株式会社」との共同で、自動車の自動運転支援地図の開発を開始し、また、過疎地・高齢化地域における自動運転自動車の実用化に向けた公道での実証実験を進めていくことを発表しました。

 自動運転システムは、国際的にも注目度が非常に高く、世界各国で様々な取り組みが行われています。人口減少と高齢化が進む日本国内では、安全・安心に移動できるモビリティ環境のひとつとして、自動運転システムの実用化が求められています。このような社会状況を背景に、2015年2月には、同大の研究チームが地域高齢者の移動支援を目的とした市街地での「自律型自動運転自動車」の実証実験を日本で初めて行いました。

 「自律型自動運転自動車」は、目的地の設定をすれば、ドライバーが運転することなく、自動で目的地まで連れて行ってくれる高度有人運転支援システムです。目的地までのルート探索や車線変更、信号などの交通規制の遵守、交差点での右左折などにおいて、地図情報との協調制御を行います。

 今後、金沢大学とインクリメントP株式会社は、自律型自動運転システムで利用できる自動運転支援地図を開発し、自律型自動運転システムとの協調制御の実証実験を重ね、2020年頃を目標に、過疎・高齢化地域の移動手段としての活用(実現性検証)を目指しています。

※インクリメントP株式会社は、神奈川県川崎市に本社を置くデジタル地図会社で、カーナビゲーションソフト、「MapFan」地図サービス、地図データベース、位置情報サービスなどを提供しています。

出典:【金沢大学】インクリメントP 自動運転支援地図の開発に着手 過疎・高齢化地域での自動運転利用を視野に金沢大学と共同プロジェクト

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