外国人留学生や元留学生は日本を生活の場として高く評価しているものの、働く場としての日本企業に魅力を感じていないことが、経済産業省のアンケート調査で明らかになりました。日本の産業競争力を高めるためには、外国人材の活用が課題となっていますが、日本独特の雇用体系が嫌がられているようです。

 経産省によると、日本に住むことについては外国人留学生、元留学生の33.0%が「魅力的」、49.7%が「やや魅力的」と回答し、高く評価されていました。これに対し、働く場としての日本企業は「魅力的」が4.3%、「やや魅力的」が17.7%にとどまっています。逆に「全く魅力的でない」と答えたのは15.6%、「あまり魅力的でない」は34.3%に上り、かなり厳しい意見が多く出ました。

 日本の大学や大学院から就職を希望する外国人留学生は全体の約7割に達しますが、実際に日本で就職する留学生は全体の約3割しかいません。その理由として留学生の76%が就職先として大企業を希望し、受け入れを考えている中堅、中小企業に目が向いていないことが挙げられます。

 日本企業への就職の問題点として、外国人留学生の33.1%が「就職活動の仕組みが分からない」、32.2%が「入社後の仕事内容が明確にされない」ことを挙げました。日本企業に対する不満としては、大企業に対し35.6%が「昇進の見込みを感じられない」、中小企業に対し34.0%が「給料が安い」と回答。「能力や成果に応じた評価がされない」、「キャリアパスに対する考え方が異なる」など日本独特の考え方に首をひねる声も目立っています。

参考:【経済産業省】若手外国人材から見た日本企業の特徴が明らかになりました~「内なる国際化」研究会で対応策を議論します~

大学ジャーナルオンライン編集部

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