東北芸術工科大学 映像学科(山形県山形市)の2年生が、山形県内の戦争体験者に1人ずつインタビューしたドキュメンタリー映画「子どものころ戦争があった-大学生が聴く戦争体験」(1時間48分)を製作。2015年7月28日、当大学のデザイン工学実習棟B 1階サクラダシネマで完成披露上映会を開催しました。テーマは「戦時中の楽しかった思い出と生きがい」を設定。太平洋戦争を経験した山形県出身者61名に対して学生自らがインタビューし、ドキュメンタリー映画に仕上げました。

当映画の製作は、前田哲准教授(映像学科)が課題として「戦争体験」を提示。2014年10月から、現在の映像学科2年生61名が当時1年生の授業課題「大学生が聴く戦争体験」として取り組んだものです。学生たちは、現在の大学生世代が、戦争体験世代に対してどのようなイメージを持っているのか、どんなことを聞いてみたいのかなどを考え、協力してくれる「語り部」探しからスタート。温泉施設や公園でお年寄りに声をかけたり、友人の祖父母に頼むなど取材交渉し、学生が2人1組となって体験者のもとに足を運んだり、大学に招いたりなどしてインタビュー・撮影・録音を行いました。

多くの学生にとって、戦争の話を直接聞くこと自体が初めての経験。なかには、「戦争という暗い話をどこまで聞いていいのか、相手を傷つけてしまわないか、迷った」と語る学生や、「生の声を聞くことで、戦争は他人事ではなく自分に関わる問題だと考えるようになった」という学生も。また、今回指導にあたった前田准教授は「日常の思い出の合間から、戦争という非日常が見える」と語りました。
今回の完成上映会は、出演した体験者を招いて行われましたが、2015年10月に山形市で開催される「山形国際ドキュメンタリー映画祭」で一般公開される予定です。

出典:【東北芸術工科大学映像学科】ドキュメンタリー映画「子どもの頃 戦争があった~大学生が聴く戦争体験~」完成披露上映会開催

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東北芸術工科大学は、公設民営の大学として1992年に開学し、現在、デザイン工学部・芸術学部の2学部15学科を展開。教育を進めるうえで大切にしている「想像力」と「創造力」。この2つの能力を4年間の学びを通して磨き、日本文化の源流ともいえる東北の地にしっかりと軸足[…]

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