兵庫県神戸市の理化学研究所計算科学研究機構にあるスーパーコンピューター「京」が、大量のデータを処理して有用なデータを引き出す大規模グラフ解析の国際性能ランキング「グラフ500」で、3期連続の1位を獲得した。通算では4回目の1位獲得となる。
京は文部科学省の次世代スーパーコンピューター計画の一環として、理化学研究所と総合エレクトロニクスメーカー富士通(東京、田中達也社長)が開発した。
グラフ500は世界の専門家集団が半年に1回、大規模グラフ解析のランキングを発表しているもので、2010年に始まった。メモリーに記憶したデータの読み込みやソーシャルサービスで誰と誰がつながっているかなどデータ間の関連性を示す大規模グラフ解析の性能を競う。
今回は理研と九州大学、東京工業大学など国際共同研究グループが京を使って行った解析結果が栄冠を射止め、2位は中国の新型機「神威太湖之光」、3位は米国ローレンス・リバモア研究所の「セコイア」が入った。
連立1次方程式を解く計算速度でスーパーコンピューターを評価する「トップ500」で、京は2011年に2度1位を獲得しているものの、今回5位。中国の新型機「神威太湖之光」がランキング初登場で京の約10倍の計算速度をたたき出して首位を奪ったが、京は大規模グラフ解析で1位を維持し、面目を保った。