千葉商科大学では、アクティブ・ラーニングという言葉が日本に登場する以前、建学当初の頃から、「実社会に役立つ教育と有用な人材の育成」という教育理念を掲げ、実践的な教育活動を一貫して続けてきました。学生一人ひとりが、社会人としての実践力、課題の発見力と解決力、提案の企画力や周囲との協働による実現力などを培っていける教育環境を提供しています。

千葉商科大学のアクティブ・ラーニングのコンセプトは、「やってみる、という学び方」。学生は大学の授業の中で学んだ知識と視点を基に、実社会の中でさまざまなプロジェクトに参加し、理論と実践を反復して吸収しながら、自分自身が設定した課題の解決や目標の達成を目指しています。

 

久留里線の沿線地域の活性化を目指して

これまでに千葉商科大学の学生が参加してきたプロジェクトは、企業や地方自治体などとの共同企画をはじめ、観光資源の発掘による地域おこし活動や、災害被災地でのボランティア活動など、実に多彩です。たとえば、2015年度に人間社会学部で実施したプロジェクトの一つに、「久留里線プロジェクト」という取り組みがありました。

JR久留里線は、千葉県木更津市、君津市、袖ヶ浦市を走る全長32.2kmの鉄道路線で、千葉県内のJR線では唯一の非電化路線です。近年は利用者数の低迷が続いていたため、沿線地域を活性化させて利用者数の増加を目指すプロジェクトが発足しました。千葉県と沿線の自治体、商工会議所、JA、JR東日本など、多くの組織が連携するこの大規模なプロジェクトに、千葉商科大学の学生47名が参加したのです。

地元の高校生とのユニークなコラボレーション

久留里線プロジェクトの最大の特徴は、地元の高校生とのさまざまな形でのコラボレーション企画でした。高校生は久留里線を日々の通学に利用している地元の主要な利用者層であり、彼らならではの視点を提供してもらうことでプロジェクトを活性化させ、将来に向けてよりよい提案を生み出すことが狙いでした。千葉商科大学の学生たちは、地元の高校生たちとともに久留里線の沿線各地のフィールドワークを実施。沿線沿いに残された豊かで美しい自然、城下町の風情の残る商店街、この土地ならではのグルメやおみやげの情報などを取材し、新たな観光資源の発掘を目指しました。彼らの取材の成果をまとめた記事は、2015年11月に刊行されたエリアマガジン『るるぶ』の特別編集版『るるぶ~千葉商科大学 人間社会学部 Vol.2~』の特集ページに収録。その記事の抜き刷り版は、観光促進ツールとして活用されています。

他にもこの久留里線プロジェクトでは、地元在住の高校生を対象にした「高校生フォトコンテスト」や、地域活性化策を提案する「高校生夢づくりコンテスト」など、ユニークな企画の数々を実施。今後は観光客の誘致だけでなく、沿線各地での定住者の誘致にもつながるような情報発信をしていくとのことです。

千葉商科大学

これからのために、やるべきことを。

千葉商科大学では、伝統の実学教育を発展させ、授業で学んだ知識や理論を実社会のさまざまなプロジェクトで試し、多くの気づきや発見を繰り返して成長する学びを実践しています。知識と経験の両輪から深く広く学び、自ら考え、意思決定し、未来を切り拓いていくことができる人材を[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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