理系4学部(理学部、工学部、生命環境学部、建築学部)の新設や文系カリキュラムの刷新など、制度改革を進める関西学院大学。入試制度においても、多様な学生を受け入れその力を伸ばしていけるよう、様々な試験方式の拡充を図ってきた。その成果として、3年連続で総志願者数を増やすなど、受験生からの支持を集めている。入学センター課長補佐・山田高幹さんは「入試改革の成功は『受験生ファースト』の考えを起点にしたことにあります」と強調する。同大学の入試改革のポイントについて伺った。
西宮上ケ原キャンパス。休日には近隣住民も訪れるなど地域からも愛されている
入試制度を受験生目線で改革
現場の声を重視しわかりやすさを追求
「本学が入試改革を本格化させたのは2021年度入試からです。理系学部の新設を契機に入試制度についても改革の機運が高まり、全学をあげての協力体制で徹底的に議論がなされました」。当時の入試制度を、改めて受験生や保護者の視点で見てみると入試日程の問題や受験科目、経済的負担など、様々な改革すべき点が見えてきたという。そこで何より重点をおいたのが『受験生ファースト』ということだ。
まず2021年度には、全学部試験日程の2日間実施、入学申込金締め切り日の繰り下げを実施。2022年度入試では、国公立大学との併願を考慮した共通テスト利用入試の7科目型を新設実施。さらに2023年度入試では、共通テスト併用日程で高得点の2科目を採用科目とするなど、受験生の得意科目を活かせるようにした。大阪の試験会場も、大阪梅田に加えて難波エリアを増設し、2エリアから選べるようにするなど受験生にとっての利便性を高めた。
その結果、2023年度入試では、志願者が前年度比113%、共通テスト利用方式でも112%増加。合格者も一般選抜において3年連続で増加するなど、受験生からの高い支持を集める結果となった。
こうした入試改革の実現にあたって、入学センターが重視したのは現場の声だ。「年数百回、高校や予備校など様々な場所で相談会・入試説明会を実施しています。その際に受験生や保護者、先生方と直接コミュニケーションをとり、要望や困りごとなどリアルな声をひろいあげて入試制度の改革につなげています」。また、広報室との連携により情報発信にも力を入れ、受験生や保護者に向けた「入試制度の周知」を推進。大学の顔ともいえるwebサイトやSNSの強化、オンラインでの説明会開催など丁寧な発信を心掛けている。
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