地域社会とともに成長する
開かれたキャンパス
さらに特筆すべきは、この「TRY FIELD」で挑戦を後押しするのが、同校の学生や教員、研究者だけではないということだ。そもそもOICには塀がなく地域に開かれたキャンパスという特徴があるが、H棟の完成後は、企業や行政、地域の人々がともに活動し、社会課題の解決を図るという、今まで以上の「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」をめざしていく。
その一環として、日本マイクロソフト社やAdobe社と連携協定を締結。地元企業や茨木市・大阪府など自治体との連携を強化し、デジタル人材の育成やスタートアップ創出事業を共同で展開する。そんな人々が活動する場が「クリエイティブ・コンプレックス」棟だ。エントランスの「テラスゲート」に設置された350インチ大型ビジョンでは学内の取り組みを広く発信し、「SP LAB」や「SP LAB X」などのスペースでは、VRやXRといった先端研究の成果を外部と共有する。1階には先のDX人材育成を目的とした日本マイクロソフト社の「Microsoft Base」が入居し、「共創空間」となる「SEEDS」では、企業や地域からのさまざまな課題を持ち寄ることができる。専門家や研究者、そして学生を巻き込んだ議論が、本格的な共同研究へと繋がる可能性もあるということだ。
OICと「クリエイティブ・コンプレックス」の面白さは、先進的なデジタル技術を活用した学びや実験が行われるすぐそばに、ペットや子ども連れの地元民の日常が存在する点でもある。目的や背景、世代を問わず受け入れる懐の広さが感じられるのだ。
「OICには多くの学生が生み出すパワーがあり、幅広い学問分野の専門家も集まっています。企業や自治体、地域の人たちが気軽に集い、つながりながら『共創』に取り組むというプロセスは、OICの更なる成長にもつながると考えています」(三宅教授)
立命館大学 社会共創推進本部長
三宅雅人 教授
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