高校生&大学生サポーターがプログラムに参加した理由
ここからは、参加者たちの声を紹介する。まずは高校1年生のヒナコさん。高校の教室で本プログラムの張り紙を発見し、応募を決意した。とくに惹かれたのは、世界的な理系名門校であるMITが関わっている点だったという。
「もともと数学が好きでしたが、高校では公式を用いて問題を解くばかりで、現実にどう役立つのだろうと疑問を抱いていました。今回のプログラムでは、構造や材料の性質を理解しながら、そこに数学や物理の考え方がどう関わってくるのかを知れたと思います。しかも実際に手を動かして、知識を身につけられました。いつか海外で勉強してみたい、という夢が少し現実に近づいたように感じています。」
続いてお話を伺ったのは、高校2年生のアイリさん。オープンキャンパスに参加する大学を探していたところ、成蹊大学のホームページでこのプログラムを発見した。大学の雰囲気も知れるのではないかと、プログラムへの参加を決めたという。
「高校では座学が多いため、正直眠くなってしまうときもあります。一方今回のプログラムでは、図が実物となり、実験をくり返しながら現実に役立つものを作っていく過程を理解できました。また、グループでコミュニケーションを取りながらものづくりを進めるのもおもしろかったです。高校でもグループワークがあるものの、単に意見交換をして終わってしまうときが多くて。今回はひとつの物を完成させるという同じ目標に向かって、メンバーの得意分野を活かしながら取り組めて楽しかったです。」
また、ファシリテーターとして高校生の学びを支えた、大学生サポーターのカコさんも手応えを感じていた。教員からの推薦で参加したカコさんは、準備の大変さや予想外の事態に対処する難しさを実感しながらも、よりよい学びの環境をつくろうと努力を重ねたそうだ。
「学習内容は決まっていたものの、その場での立ち回りは任せられた部分が多かったです。毎日16時半にプログラムが終わり次第、教員と大学生サポーターで遅くまで反省会をして。ほかの大学生サポーターの熱量の高さに圧倒されつつも刺激を受け、高校生が発言しやすい雰囲気や能動的に動ける環境をつくるためにできることを考えていきました。」
参加者の手が止まったときにはこまめに声をかけたり、質問に対して正解ではなく考え方のヒントを与えたりと、高校生たちに的確な手助けをしていた大学生サポーターたち。5日間という短期間ではあったが、高校生と大学生サポーターが信頼関係を築いてきたのだと伝わってきた。
これまで接点のなかった同世代が集い、刺激を与え合う貴重な機会になった「Seikei-MIT Global Women’s Technology Program」。高校生たちは毎日、午前と午後のプログラムでチームメンバーを入れ替えながら、さまざまな人とコミュニケーションをとったそうだ。限られた時間内で交流し、メンバーの個性や自分の得意分野を活かしながらものづくりをする。こうした力は社会に出てからも役立つのではないかと、未来への期待が感じられる5日間となった。
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