国立大学が進める教育研究改革の進展に応じ、運営費交付金の支給額に差をつける2017年度重点支援制度の審査で、全国86大学のうち、京都大学、九州大学など41校が増額評価、一橋大学、富山大学など45校が減額評価となった。

 文部科学省は国立大学を
■主に地域のニーズに応える(55校)
■専門分野ごとに優れた教育研究をする(15校)
■世界トップ水準の教育研究をする(16校)
-に分け、約1兆1,000億円の運営費交付金のうち、各大学が約1%を拠出した計約100億円について、改革の進み具合に応じて再配分する制度を2016年度から導入している。
各大学が文科省に提出した改革目標や実施状況、論文の引用数、卒業生の都道府県内就職率、TOEICで高得点を出した学生数などを有識者検討会で審査した。

 それによると、主に地域のニーズに応える55校では、福島大学と浜松医科大学が最も高く評価され、113%の再配分率となった。このうち、福島大学は環境放射能の共同研究などが評価されている。逆に再配分率が最も低かったのは富山大学で80.5%にとどめられた。
専門分野ごとに優れた教育研究をする15校では、東京医科歯科大学が110%の再配分率で最高となる一方、鹿屋体育大学は78・3%で最低と判定された。
世界トップ水準の教育研究をする16校では、再配分率トップは京都大学の108.5%。一橋大学が87.6%で最も低かった。
金額ベースで最も増えたのは、京都大学の約5,000万円増。反対に広島大学は約3,000万円減で最も減少額が大きかった。

 運営費交付金は国立大学の収入の3~4割を占めている。国の財政状況が悪化したため、国立大学が法人化された2004年度から減少を続けていたが、2017年度予算案では運営費交付金をはじめとする基盤的経費が法人化後、初めて前年度を上回る1兆970億円となっている。

参考:【文部科学省】平成29年度における国立大学法人運営費交付金の重点支援の評価結果について

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