最先端のAI・数理アルゴリズム・ロボティクス分野の最先端のテクノロジーを活用してイノベーションを創造する、東京大学発ベンチャー、TRUST SMITHグループ傘下のSMITH & MOTORS株式会社は、Deep Consulting株式会社と共同で、映像内の個人情報を取り除く「モザイクAI(マスキングAI)」において、マスク着用時の人物の顔認識技術を開発。これにより、従来のドライブレコーダーの映像はもちろん、オフィスや商業施設において、個人情報が写り込んだ写真・映像も活用しやすいデータにすることが可能になる。

 近年、個人情報保護法の改正に加え、以前にも増してプライバシーの保護に対する重要度が高まっている。TRUST SMITHグループの開発した「モザイクAI(マスキングAI)」は、写真・映像内の個人情報に関わる情報に対して自動でモザイクをかけ、写真・映像内のプライバシーを保護するもの。これまで、ドライブレコーダーの映像を扱う自動車メーカーや保険会社、映像を一般公開するメディアなどで活用されている。

 しかし、コロナウイルスの影響で、屋外を出歩く人々のマスク着用率が高い状況が続く一方、従来のアルゴリズムではマスク着用時の人物の顔を認識するのは難しかった。

 そこでSMITH & MOTORSは膨大なマスク着用時の映像データを学習させ、マスクで顔の大半が覆われている人物の顔認識を高精度で実現することに成功した。

 最先端の技術を活用した独自のライブラリにより、情報量の多い高精度の映像も高速で処理でき、顔のモザイクでは91%、ドライブレコーダーでは96%の精度を出すことができる。また、独自のアルゴリズムにより、顔のマスキングは約30fpsまで、ナンバープレートのマスキングなら約20fpsまでの映像について、リアルタイムでマスキングが可能。さらにこのアルゴリズムが搭載されたマスキング実行用のPC本体の提供や、クライアントのローカルネットワーク上での実装が可能なので、外部に情報が流出するリスクを抑え、個人情報を確実に保護することができる。

 今回の技術開発により、これまで人通りの少ない場面で活用していたドライブレコーダーの映像データに加え、オフィス内や商業施設における映像データなど、マスクを着用した人々の流動が激しいシーンにおいてもAIにより自動でモザイク処理が可能となる。また、コロナウイルス収束後も、常にマスクの着用が想定される医療現場などで利用できる機能として、長期に渡って当技術の活躍が想定される。

参考:【SMITH&MOTORS 株式会社】【東大初AIベンチャー】映像内のマスク着用時の人物の顔の認識技術の開発に成功

東京大学

明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。