藤田医科大学大学院保健学研究科の藤恒英嗣講師、山本康子准教授、齋藤邦明教授らの研究グループが、国立感染症研究所、富士フィルム和光純薬、富士フィルムとの共同研究で、米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンを2度接種することで血液中の抗体量が大幅に上昇することを確認した。
藤田医科大学などによると、研究グループは同校教職員219人(男性69人、女性150人)を対象にワクチン接種前、1回目接種から14日後、2回目接種から14日後に採血し、血液中のIgG、IgM、IgAと呼ばれる抗体の量を調べた。
その結果、すべての抗体が接種後に増加することが分かったが、特にIgG抗体は2回目の接種後に大幅に増加していた。性別で比較すると、女性の方の抗体量が多く、男性は年齢を重ねるごとに抗体量が少なくなっていた。
さらに、接種した人の血液がウイルス感染や増殖を阻害する中和活性を持つかどうか調べたところ、IgG抗体量が多いほど中和活性が高いことが明らかになった。ただ、中和活性を高める抗体のでき方には個人差が大きかった。
研究グループは血液中の抗体量を継続して測定することで個人に合ったワクチンの接種間隔、接種量、接種回数を決められる可能性があるとみている。共同研究ではIgG抗体の量を全自動で迅速に測定する専用試薬を開発しており、研究グループは今後、より大規模な調査を進める方針。