文部科学省は2020年度版の文部科学白書を公表した。巻頭で新型コロナウイルス感染症対策を特集し、大学での対策実施と学生の学修機会確保の両立を明記、大学側に引き続き、万全の対策を講じるよう強く呼び掛けている。

 文科省によると、白書は特集と「文部・科学技術施策の動向と展開」の2部構成。特集では、新型コロナ対策に関する文科省の取り組み、令和の日本型学校教育の構築、研究力向上のための若手研究者への支援について報告している。

 このうち、新型コロナ対策の大学関係では、2020年3月に就職・採用活動を柔軟に行うよう経済団体に要請したのを皮切りに、2021年5月に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に関連し、大学側へ新型コロナ対策の実施と学生の学修機会確保の両立を呼び掛けるまでの取り組みを説明した。

 学修機会の確保では、フィルム付きパーテーションを用いて対面授業を実施しているエリザベト音楽大学の実例を紹介、すべての授業をオンラインとするのではなく、感染防止策を十分に実施したうえで対面授業を進めるよう求めた。

 学生に対する支援では、2020年5月に経済的に困難な学生への支援策を取りまとめたが、学生が進学や修学を断念することがないように引き続き支援を展開するとしている。

 留学生に対する支援では、海外に出向いている日本人留学生だけでなく、日本で学ぶ外国人留学生に対しても弾力的な措置を講じると明記した。

参考:【文部科学省】令和2年度文部科学白書

大学ジャーナルオンライン編集部

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