2021年9月7日、世界トップレベルの研究力を持つ特定研究大学(仮称)の創設に向けて議論する検討会議の初会合がオンラインで開かれ、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局が年内に最終取りまとめに進む方向を示した。検討会議は松尾豊東京大学大学院工学系研究科教授ら有識者9人で構成する。

 特定研究大学の創設については7月27日に「世界と伍する研究大学専門調査会」が中間取りまとめを発表。3%程度の事業成長を前提に、特定研究大学が世界トップレベルの大学と肩を並べる研究を推進し、カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーションなど社会的な課題解決や、世界を凌駕する成長分野の創出でSociety5.0社会の実現を牽引するという目標を示した。また、大学経営に関する重要事項を学内外のステークホルダーが共に議論し共有を行う、最高意思決定機関としての合議体が必要としている。

 さらに、事業戦略、財務戦略を立案し、責任をもって実行に移す 「事業財務担当役員(CFO)」の設置や、教学に関する事項の実質的な責任者として「プロボスト」の 設置を提案。これにより、多様な財源の獲得を含む経営の高度な自律性、自由裁量を実現し、高度な教育研究環境を実現する。

 検討会議はこの中間取りまとめを基に、大学ファンドによる支援のあり方など残された課題について月1回のペースで検討を重ね、年内に最終取りまとめをする。これと並行して関係府省庁で特定研究大学の制度設計を進め、最終取りまとめ前に検討会議に報告する。

参考:【文部科学省】「世界と伍する研究大学専門調査会」の検討状況について

大学ジャーナルオンライン編集部

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