文部科学省は大学改革の基本方針となる高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)をまとめた。高等教育へのアクセス確保など4つの柱で構成するもので、大学の教育や研究、経営基盤の強化も同時に進める。文科省は関連法案を今通常国会に提出する方針。

 文科省によると、イニシアティブは
・高等教育へのアクセス確保
・大学教育の質保証・向上
・研究力向上
・教育研究基盤・ガバナンス強化
-が4本柱となる。

 高等教育へのアクセス確保では、真に支援が必要な低所得者に対し、授業料や入学金の減免、給付型奨学金の支給を実施する。対象は学問追究と実践的教育のバランスが取れた高等教育機関に限定、進学後の学習状況に厳しい条件を課し、これに満たない学生に対する支援を打ち切るとしている。

 大学教育の質保証・向上では、教育の質保証や情報公開のための仕組みを構築し、実務家教員の登用を促進するとともに、教育体制の多様化、柔軟化を図る。大学評価で学生の伸びを確認することにより、教育の質を確保できていないと判断された大学は撤退させる。

 研究力向上では、優秀な若手研究者にポストと研究資金を重点支援し、研究環境の改善を図る。厳格な業績評価と研究費の透明性向上、制度の評価、検証を徹底することで公平性を担保する。

 教育研究基盤・ガバナンス強化では、改革に意欲を持つ大学を重点的に支援するほか、外部資金獲得の産学連携を推進する。単独で改革できない大学は、再編や統合を進め、撤退も視野に入れる。

参考:【文部科学省】高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)

大学ジャーナルオンライン編集部

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