名古屋大学と位置情報データを使った広告・分析サービス「プロファイルパスポート」を提供する株式会社ブログウォッチャーは、プロファイルパスポートのデータを活用し、ユーザとエリアの特徴をモデル化する情報処理技術に関する共同特許(特願2020-209558)を出願した。
近年、GPS(Global Positioning System)機能を備えたスマートフォンやウェアラブル端末の普及により、位置情報履歴の収集が容易となった。これに各ユーザの日々の行動を反映したデータを分析することで、混雑予想、都市計画、防災、マーケティングなど様々な目的に利用できる。
そこで名古屋大学とブログウォッチャーは、位置情報データをより活用しやすくするために、従来技術における課題を解決する技術開発を行った。
従来技術では、「POI(Point of Interest)=位置情報を含んだ施設や地点などのデータ」情報に基づきユーザの滞在目的を類推し、滞在目的による滞在遷移モデルを作成する場合、決められたラベルしかつけることができない。そのためデータセットに登録されていないPOIに対してのラベリングができなかったり、多くの商品を取り扱うような店舗に対してラベルを一つに決められないという課題があった。また、位置情報履歴を数十~数百程度の種類ラベルに集約することになるため、元々多様な要素を含んでいた情報の損失が大きい。
今回特許を取得した「ベクトル表現遷移モデル」は、位置情報履歴がもつ多様な情報をできる限り保持しながら、時期・曜日・時間帯・位置情報をもとに、ユーザとエリアの特徴をモデル化することができる技術。各時刻におけるユーザの滞在場所の特徴をもとに「ユーザ行動の類似度に基づきエリアを分類」「ユーザ行動からライフスタイルなどの特徴を分析」「機械学習を行うことで各ユーザがどの時期のどの時間帯にどの場所に滞在する傾向にあるかを予測」が可能となる。
また、本技術を用いることで、事前にPOI情報を収集したり、それをもとにラベリングする必要が無くなり、エリアのモデリングの手間やコストを低減することができる。
参考:【株式会社ブログウォッチャー】ブログウォッチャー×名古屋大学、位置情報履歴に基づくユーザとエリアの特徴をモデル化する情報処理装置・ 情報処理方法・コンピュータプログラムに関する特許を出願