花王株式会社と北里大学は、「複雑な混合物(製品等)のヒトノロウイルス不活化効果を評価する技術」について、所有する特許の実施権を無償で提供することを決定した。これにより、ヒトノロウイルスに有効な消毒剤の開発が期待される。

 ヒトノロウイルス(ヒトに感染するノロウイルス)は、冬季に流行する食中毒の原因となる主要なウイルスで、ヒトノロウイルス感染症には根本的な治療法がなく、ワクチンも開発途上。そのため、ヒトノロウイルスに起因する食中毒や感染症の流行の拡大を防ぐには、ヒトノロウイルスを不活化できる消毒剤等の開発が求められている。

 この特許(特許第6777837号)は、社会の衛生課題解決に向けた取り組みの一環として、花王が2020年7月に発表した、ヒトノロウイルス不活化効果を混合物で評価する新手法について、花王および北里大学が保有するもの。具体的には、腸管オルガノイド(類臓器)にヒトノロウイルスを感染させて、さまざまな混合物の不活化効果を評価する際に、腸管オルガノイドにダメージを与える可能性のある成分(界面活性剤など)を適切に除去する手法を記述したものだ。

 従来は、ヒトノロウイルスを用いた混合物(製品など)の不活化評価は不可能であったため、近縁の代替ウイルスで評価が行なわれてきた。この技術を広く使用してもらうことで、複雑な成分からなる混合物(製品など)のヒトノロウイルス不活化効果を評価することが可能となり、ヒトノロウイルスに対して効果のある消毒剤の開発が進むことが期待されるとしている。

参考:【花王株式会社】複雑な混合物(製品など)のヒトノロウイルス不活化効果を評価する技術 花王・北里大学の保有する特許実施権を無償提供

大学ジャーナルオンライン編集部

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