株式会社マイナビは、大学・大学院等を既に卒業している就職活動者(=既卒者)を対象とした「マイナビ2021年度既卒者の就職活動に関する調査」を発表した。有効回答数389名。
調査によると、既卒者の現在の内定保有状況について、内定を「保有している」と回答したのは42.4%。前年(2020年)の34.4%から8.0pt増加し、コロナ禍前、2019年の43.3%まで回復しつつある。内定獲得後の活動予定についても「内々定先に満足したので終了する(終了した)」が前年比21.1pt増の73.8%だった。
就職活動に対する新型コロナウイルスの影響については「影響はなかった」が前年比18.3pt増の22.8%で最も多く、今年の既卒者の活動に関してはコロナ禍の影響が少なくなったことがわかる。しかし「活動のオンライン化への対応に苦労した(14.4%)」、「対面で利用したいサービスやイベントが利用できなかった(14.2%)」といった回答もあり、感染拡大にともない急速に進んだ「就職活動のオンライン化」により、既卒者の就職活動に影響を与えていたようだ。
「卒業後の活動で大変だったと思うこと」を聞くと、「既卒者の募集が少ない」が49.9%で最も多く、2位に「既卒として就職活動をしている理由を聞かれる(47.4%)」、3位に「既卒者としての活動の仕方がわからなかった(46.9%)」が続いた。
また、「新卒の就職サイトに登録して活動していいものか迷った(34.1%)」、「転職サイトなどの第2新卒採用や中途採用の募集に応募していいものか迷った(30.7%)」という回答も見られた。2020年の新型コロナウイルスの感染拡大の際、政府より「卒業後3年以内の既卒者は新卒枠としての応募」という要請が改めてアナウンスされた(2020年度及び2021年度新卒者等の採用維持・促進に向けた特段の配慮に関する要請)が、自身が新卒なのか中途なのかという区分への迷いを示す既卒者が一定数おり、十分な理解が進んでいない可能性がある。
調査担当者は、『今年の既卒者は前年に比べ新型コロナウイルスの影響が少なかったことに加え、在学中の自己分析不足といった反省を活かした応募先企業の選定を行ったことにより、内定率もコロナ禍前の水準近くまで回復したものと思われます。また自分の採用枠が新卒なのか中途なのかといった立場の曖昧さに悩む声も多くありましたが、政府は卒業後3年以内は新卒枠としての応募を受け付けるよう経済界に要請しています。既卒者の皆さんは自信をもって新卒枠への応募を行い、より広く充実した視野で積極的に就職活動に取り組んでほしいと考えています』とコメントした。