畿央大学は、中日ドラゴンズドラフト6位指名の福元悠真選手(大阪商業大学4回生)とアドバイザリー業務委託契約を結んだ。スポーツリハビリテーションならびにスポーツ栄養の面からアスリート支援を行う。
福元選手は奈良県出身で、高校時代に甲子園に3度出場。4番打者としてセンバツ優勝も経験しているパワーヒッターだ。大阪商業大学でも主将を務め、3回生の秋にはリーグ最優秀選手賞とベストナインを獲得している逸材だが、怪我に苦しんだシーズンもあった。
理学療法学科の福本貴彦准教授は17年前から奈良県の高校野球に関わっており、福元選手と面識があった。今回のプロ野球入りを受け、年明けの入寮とキャンプインに向けた体づくりを畿央大学が支える。
2021年10月27日(水)には、福元選手が畿央大学を訪れ、理学療法学科の田平一行教授、福本貴彦准教授、健康栄養学科の中谷友美講師から運動能力の測定やフィジカルチェック、栄養指導を受けた。
呼吸器リハビリテーションが専門の田平教授は、心臓や肺機能、体力を測定するために呼気ガス分析器というマシンを使った運動負荷試験を実施。畿央大学の学生は負荷平均200ワットで限界を迎えるところ、福元選手は300ワットを優に超えた。テストの結果、福元選手は最大酸素摂取量が一般の人よりも25%も高く、野球選手としてだけでなく体力も非常に優れていることが確認された。
栄養生理学が専門の中谷講師からは現在の食生活について細かくヒアリングを行いながら、栄養面からアスリートの体づくりのアドバイスを行った。怪我の経験からストイックな食生活を実践してきた福元選手だが、実は「管理栄養士から指導を受けるのは初めて」。今後は継続的なアドバイスをコンディションやパフォーマンスの向上につなげていく。
運動器リハビリテーション・スポーツリハビリテーションが専門の福本准教授は、普通に立った状態とバッティングフォームでそれぞれ左右の足型を計測。福元選手は、足指握力も非常に強く、足型はしっかりとした土踏まずが観察できる、非常にきれいな足部形状をしており、バッティングフォームになったとたんに重心位置が変化し、足指で地面をしっかり握っているのが観察された。
福元選手からは「プロ入りしても怪我なく、一年間を通してプレイできるように引き続きトレーニングを行い、良い結果を出せるように頑張っていきたいです」と強いコメントが聞かれた。
今後、福本教授らは、今回測定した測定値を科学的に分析し、福元選手の弱点を強化しつつ、体への負担が少なく効率の良いトレーニング方法を継続的に指導していく。強打者として期待されている福元選手が怪我や故障のないように体を整えプロ野球界で活躍してもらえるよう、チームKIOで一丸となって支援していく。