国内の再生可能エネルギー供給が2016年3月末までの4年間で倍増していることが、千葉大学大学院人文社会科学研究科の倉阪秀史教授と環境エネルギー政策研究所のまとめで分かった。中でも太陽光発電は再生可能エネルギー全体の半分を超えるが、伸び率が鈍化している。
千葉大学によると、2016年3月末現在の再生可能エネルギー供給は
■太陽光発電37万3,380テラ・ジュール(TJ、※1)
■風力発電5万1,130TJ
■地熱発電2万2,175TJ
■小水力発電(1万キロワット以下)13万2,520TJ
■バイオマス発電3万4747TJ
-の合計61万3,953TJ。前年に比べ、24.7%増え、2012年3月に比べると129%増となった。
このうち、大幅増を示したのは、太陽光発電の37.2%、バイオマス発電の75.1%だが、太陽光発電の伸びは52.3~110%の増加を示した過去2年間に比べて鈍化している。
一方、再生エネルギー熱の利用は
■太陽熱3万127TJ
■地熱2万4,593TJ
■バイオマス熱1万2,572TJ
-の合計6万7,292TJ。前年に比べ、1.2%の減少で、2012年3月と比較しても1.4%少なくなっている。
倉阪教授らが「永続地帯」と呼ぶ域内の民生、農水用エネルギー需要を上回る量を再生可能エネルギーで生み出している地方自治体は、2016年3月末現在で前年から9つ増えて71団体に達した。
倉坂教授は報告書に対し「2012年7月から導入されている固定価格買取制度によって、太陽光発電が4年間で7倍以上になるなど、日本の再生可能エネルギー発電は全国的に導入がすすみました。しかし、この制度の対象となっていない太陽熱給湯などの再生可能エネルギー熱供給は、この10年間で初めて2年連続で減少しています。再エネ熱供給を促進する仕組みが必要です。」とコメントしている。
※1 テラ・ジュール ジュールは熱量単位で、テラは10の12乗。一般にエネルギー統計では計量単位の異なる各種エネルギー源を1つの表で扱うため、熱量単位に換算して表す
参考:【千葉大学倉阪研究室 + 認定 NPO 法人環境エネルギー政策研究所】「永続地帯 2016 年度版報告書」の公表について(PDF)