大日本印刷株式会社が株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」は、2022年4月の民法改正による成人年齢引き下げに合わせ、「20歳」と「18歳」の直近一年間の書籍購買動向を比較した結果を発表した。

 紙の本と電子書籍の全ジャンル総合ランキングでは、「20歳」第1位が『呪術廻戦(15)』、続く20位までの17点を『呪術廻戦』が独占した。一方「18歳」は、大学入試に出る熟語・構文をほぼすべてカバーするZ会の『速読英熟語』が第1位に。第4位まで漢文、古文、英語の学習参考書が占めた。「18歳」は上位20タイトルの4割を学習参考書が占めるという結果で、受験を背景に18歳はまず勉強、そして合間にコミックを読んでいることが伺える。

 文庫ランキングでは「20歳」の1位が『そして、バトンは渡された』。第2位は『かがみの孤城 上 』で、この作品は「18歳」でも2位にランクインした。

 「18歳」のランキングには、TikTokの小説紹介投稿をきっかけして読まれた『桜のような僕の恋人』がトップに登場。他にも、第5位『余命3000文字』、第9位『余命10年』と、いわゆる“TikTok売れ”した作品が続々とランクインした。これらは「20歳」のランキングでは第4位と第6位に登場しており、18歳のほうが少しTikTokからの影響が強かったようだ。

 なお、「20歳」は『人間失格 (新潮文庫)/太宰治』、「18歳」は『こころ 改版 (新潮文庫)/夏目漱石』が文庫の第3位に登場しており、高校の現代文で触れることがきっかけとなったのか、若者向けの名作は時代を問わず読まれているようだ。

 ノンフィクション「20歳」第1位は2021年のビジネス書のベストセラー『人は話し方が9割』。「20歳」は社会に出るための準備としてビジネス書の購入意欲が高まるようだ。一方、「18歳」第1位は『聖域』で、若者に絶大な影響力を持つ5人組YouTuber「コムドット」のリーダー、やまとによる初のエッセイがトップになった。“悩む時間を動く時間に変えた瞬間に、人生が変わる”という言葉に背中を押される人も多いのかもしれない。

参考:【PR TIMES】「TikTok売れ」を牽引する2022年の「新成人」が読んだ本を発表!「20歳」は『呪術廻戦』、「18歳」は学習参考書がトップ3を独占

大学ジャーナルオンライン編集部

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