株式会社紀伊國屋書店が1974年から刊行を続ける『紀伊國屋数学叢書』(伊藤清三他編)が、出版活動などの著作活動により数学の研究・教育・普及に顕著な業績をあげた活動を顕彰する「2022年度日本数学会出版賞」を受賞した。

 『紀伊國屋数学叢書』は、紀伊國屋書店が1974年から1994年にかけて全33巻計35冊を刊行し、現在もオンデマンド版と電子版(個人販売用、団体契約用)で大部分の刊行を続けている。「現代数学の発展にとって重要であり、また既刊書で必ずしも重点が置かれていない」テーマを選ぶという方針のもと、一流の数学者によって執筆された。このような編集方針は先駆的なものであり、出版当時の最先端の成果の解説を含んだ各巻はオリジナリティが高く、現在まで活用されている。刊行開始からおよそ半世紀近く経った現在でも、高水準で他に類を見ない有用な叢書であり、学部生、大学院生、研究者および数学ファンが自学自習するにあたり大変有益な書籍であると評価も高い。

 紀伊國屋書店ではこの機会に、新宿本店とウェブストアでブックフェアを開催。また、より多くの人に『紀伊國屋数学叢書』を利用してもらおうと、『紀伊國屋数学叢書』の個人販売用電子書籍の価格を、2022年3月16日よりこれまでの半額に値下した。新宿本店でのブックフェアは、8階自然科学書売場で2022年3月17日(木)~4月24日(日)まで開催する。

参考:【株式会社紀伊國屋書店】『紀伊國屋数学叢書』 日本数学会出版賞を受賞

大学ジャーナルオンライン編集部

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