立命館大学は、2023年度入試(2023年4月入学)より、全国で初めてAI学習システム「atama+(アタマプラス)」を活用した総合型選抜(AO選抜入学試験)を開始する。

 現在、オンライン学習やIB、海外で学ぶなど学習指導要領に捉われない教育課程で学ぶ生徒が増えており、大学側も様々な学習歴を持つ受験生に門戸を広げることが求められている。

 立命館大学は、高校レベルで学習する科目の総合的な基礎学力を前提に、特に重要な基礎学力は、学部学科によって科目レベル(例:数学I、数学A等)ではなく単元レベル(例:二次関数、確率等)で異なることに着目。重要な単元の学力を確認しつつ、アドミッションポリシー・入試企画として受験生に向けて発信する方法を模索していた。

 そこで立命館大学は、「atama+」を活用し、各学部が指定する教科の単元を学習・修得するプログラム「学部指定単元AI学習プログラム(通称:UNITE Program)」を総合型選抜(AO選抜入学試験)の出願要件として導入する。

 2023年度入試の「UNITE Program」で対象となる教科は、数学(数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B)。専門分野を学ぶうえで数学的素養が非常に重要となる経済学部・スポーツ健康科学部・食マネジメント学部で導入し、受験生が「atama+」を活用し各学部が指定する教科の単元を学習・修得することを出願要件のひとつとする。

 プログラムの出願は無料で、期間中は繰り返し学習可能。入試の合否に学習結果は影響しない。さらに入学前教育にも「atama+」を取り入れることで、受験生は効果的かつ実質的に基礎学力を修得し、入学後の大学での学びにスムーズに適応することができる。

 受験できるのは2023年3月31日までに高等学校等を卒業・卒業見込みの生徒で、募集人数は6月下旬の入学試験要項にて公開予定。4月1日からは「UNITE Program」特設サイトが開設される。

 今後、立命館大学では、他の入試方式や他学部への展開、数学以外の教科の導入などを推進していく。また、学部ごとに指定した単元の学習・修得を重視する入試の仕組みを、新たな大学入試のスタイルとして確立することを目指す(現在特許出願中)。

参考:【立命館大学】立命館とatama plus「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」AI学習システムを活用した新AO入試を2023年度入試より開始~全国初!受験前に効果的・実質的に基礎学力を修得する UNITE Program 導入~(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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