国内最大級の奨学金サイト「ガクシー」を運営する株式会社SCHOLは、奨学金における実態調査を全国の大学生およびその保護者1,941名を対象に実施した。

 調査によると、全国の大学生およびその保護者全体のうち、奨学金を受給した(したことがある)層は全体の40.0%。奨学金を検討または興味を持ったが受給に至らなかった層が23.4%、奨学金にまったく興味がないまたはそもそも知らなかった層が36.6%だった。

 検討または興味はあるが受給に至っていない層の奨学金に対する印象は、「借金なので、怖い」41.0%、「制度が複雑で、理解が難しい」33.8%、「家計の負担を軽減できて、嬉しい」21.7%と続いた。奨学金受給による明るい未来を想像して「嬉しい」とポジティブに思う一方で、「借金・怪しい」「難しい」などのネガティブな印象も強く、実際の利用を妨げている実態がわかった。

 学力ごとの受給状況は、低学力層で48.5%、中学力層で45.7%と約半数。高学力層では31.6%だった。奨学金を受給した人のうち、最も多かったのは高校偏差値が40未満の層で、過半数越えの52.5%だった。

 受給者に奨学金の必要度を聞いたところ、「必要不可欠」が最も多く43.9%、続いて「できれば必要」が38.1%。「必要不可欠」と回答した層は、「進学するためには必要不可欠」との利用目的が80.6%、「できれば必要」と回答した層は、「必要不可欠というほどではないが、あったら家計が助かる」との利用目的が56.6%。学力別で見ると、「進学のためには必要不可欠」の回答が低学力層で過半数の54.7%、中学力層においても44.1%と、どちらの層においても、最も回答の多い結果となった。高学力層は、「できれば必要」が最も多く43.9%であった。

 一方で、受給者であるにも関わらず「あまり必要でない」14.4%、「まったく必要でない」3.4%と、受給者の約5人にひとりは奨学金が不可欠なわけではない学生および保護者がいた。奨学金の必要度が低い受給者の利用目的は、「部活に集中したいため」10.9%、「研究や学業に集中したいため」8.8%、「アルバイトする時間がもったいないため」8.8%、「海外進学のため」5.5%など、学費以外を目的に利用している学生も多く存在しており、学生生活を有意義に過ごすために積極的に奨学金を活用しているようだ。

参考:【ガクシー】奨学金に対する実態調査2022をリリースしました
奨学金に対する実態調査2022第二弾をリリースしました

大学ジャーナルオンライン編集部

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