実践女子大学は、2017年11月11日に開催する「常磐祭(学園祭)」で、発達の遅れがあるS君(5歳)がカフェ店員として店頭に立つ「なかよしカフェ」を実施する。これは、生活科学部生活文化学科の長崎勤教授が研究代表者を務める「希釈飲料作成(カルピス®つくり)による発達障害児の他者意図理解・協同活動アセスメントと支援方法の開発」(文部科学省科学研究費補助金基盤研究C)の一環として行われる。
カルピス®つくりを通して、“自分につくる”、“誰かのためにつくる”、“相手の好みに合わせて濃さを調整する”など、子どもに大切なコミュニケーション発達を促すこの活動は、2015年度にカルピス株式会社との共同研究としてスタートしたもの。
長崎教授の研究室では2015年度からゼミ活動の一環としてS君の発達の支援を行っている。月に2回、日野キャンパス内のプレイルームで、言語面、認知面、運動面などの発達支援を行うほか、保護者へのカウンセリングや保育園との情報共有を行い、S君の能力を最大限に発揮させるための包括的発達支援に取り組んでいる。その中でS君は、サーキットトレーニング、ゲームや劇遊びを通した言語指導などと合わせて、コミュニケーション発達を促すため、カルピス®つくりにも継続的に取り組んできた。
こうした活動の一環として、常磐祭当日、長崎ゼミの学生17名がこれまでの取り組みを紹介しつつ、先着500名に無料でカルピス®をふるまう「なかよしカフェ」を出店する。この「なかよしカフェ」では、約40分間、S君がカフェ店員となってお客様にカルピス®をつくり提供することに挑戦する。
常磐祭でS君がカルピス®つくりを行うことにあたり、長崎ゼミの学生たちには、普段と違う環境の中でS君自身の力を最大限に引き出したい、そして、地域住民が多数訪れる学園祭の場で、多くの人がS君の存在を知り、S君を一人の人間として自然に受け入れてほしいという強い思いがある。
<なかよしカフェ>
日時:11月11日(土) 10:00~15:00(S君は13:00~13:40に店頭に立つ予定)
会場:実践女子大学日野キャンパス1館1階学生ラウンジ