大学入試センターは1月の大学入学共通テストで試験問題が不正流出したことを重視し、2023年の大学入学共通テストで不正防止策としてスマートフォンの使用禁止を厳格化するとともに、イヤホンの使用を禁止することを決めた。

 大学入試センターによると、2023年の試験では、開始前に試験監督者の指示で机の上にスマホ、携帯電話、音楽プレーヤーなどの電子機器を出させ、一斉に電源を切ったあとカバンに入れさせる。さらに、イヤホンの使用禁止と不正行為を確認すれば警察に被害届を出す可能性があることを受験案内などに目立たせて明記し、徹底を図るほか、試験会場となる大学側に巡視の強化を求める。

 これまでの試験の際はスマホなど電子機器をカバンの中へしまうことを求めていたが、タイミングは受験生の判断に委ねていた。1月の不正流出ではスマホのほか、イヤホンも使用されていたことが明らかになっている。試験前に一斉指示の時間を取るが、試験のスケジュールなどに変更はない。

 1月の試験では、大阪府の女子受験生が世界史Bの問題をインターネット電話「スカイプ」のチャット機能を通じて外部へ流出させた。女子受験生は大学入試センターの業務を妨害したとして偽計業務妨害の疑いで警視庁から書類送検されたが、事態を重く見た大学入試センターは再発防止に向けて対応策を検討していた。

参考:【大学入試センター】大学入学共通テストにおける電子機器類を使用した不正行為の防止策について(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。