慶應義塾大学SFC研究所の上席所員大越匡准教授(環境情報学部)とヤフー株式会社で先進的なビッグデータ・AI技術の研究開発を担うYahoo!JAPAN研究所は連携し、ユーザーの検索キーワードなどの情報を基に「世の中の気分」(ムード)の浮き沈みを推定する「全国ムード指数」を公開した。

  研究チームは、2019年度にYahoo! JAPAN研究所が行った実証実験において、協力を得たモニターから同意のうえで取得した検索データやセンサーデータ、調査アンケートデータを踏まえ、機械学習を活用して検索キーワードからムードを推定するAI(人工知能)「検索気分モデル」を作成。同モデルを用いて分析を行うと、特定の検索キーワードとユーザーのムードには関係性があることや、「土日はムードが高くなり、(休日後の)月曜はムードが低くなる」「新型コロナによる緊急事態宣言が発令されるとムードが低くなる」、「新型コロナに関して、第一波、第二波と時間が経過するにつれて、ムードの低下具合が緩和されている(新型コロナに慣れつつあることが推測される)」ことなどがわかった。

 これまで「全国ムード指数」は一般公開はしていなかったが、より多くのユーザーにAI(人工知能)やデータを使ったテクノロジーの楽しみや将来の可能性を知ってもらうべく、2022年6月28日より「全国ムード指数」ページにて、週単位の傾向を公開する。

 慶應義塾大学SFC研究所の大越准教授は、「IT/AI技術が発展し、我々の生活に調和しながら溶け込んで人間社会を支援するSociety5.0の実現に向けては、人々の心身状態に寄り添ったしなやかな情報システム・サービスの実現と提供のため、人と社会をより理解する必要があります。我々の研究成果にもとづく社会実装の一形態としての『全国ムード指数』が、『人のこころ』を大事にするこれからのネット社会実現の一助となれば幸いです。」とコメントした。

参考:【ヤフー株式会社】Yahoo! JAPAN研究所、慶應義塾大学SFC研究所と連携し、 検索キーワードなどの情報を基に世の中の気分(ムード)の浮き沈みを推定する 「全国ムード指数」を公開 

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