國學院大學と一般社団法人日本プロ野球選手会は、2017年11月21日、元プロ野球選手を対象とする「セカンドキャリア特別選考入試」に関する協定を締結した。日本プロ野球選手会が、引退選手のセカンドキャリアのために大学と教育に関する協定を締結するのは初の試み。

 このセカンドキャリア特別選考入試は、日本プロ野球選手会の推薦を受けた引退選手で、中・高等学校の保健体育教諭や小学校の教諭を目指す人、および健康やスポーツ分野でのリーダーを目指す人物を対象とし、國學院大學人間開発学部健康体育学科への入学金(26万円)と年間学費相当額(1年間91.1万円)の奨学金を給付する制度。野球選手を支援し教員や指導者になってもうらうことで、子どもたちに野球の魅力を伝え、野球界の発展に貢献できる人材の育成を目的としている。初年度は2018年2月に入試を行い、4月の入学を予定。

 現在、プロ野球ではシーズンが終わると、各球団では来季のチーム編成が行われ、毎年100人以上の選手が引退を余儀なくされ、引退選手たちの多くがセカンドキャリア問題を抱えている現状がある。

 國學院大學では、Jリーグとも同様の協定を2013年に締結し、これまで2人の元Jリーガーが同入試制度を利用して國學院大學で学んでいる。今回は、プロ野球選手の健全なキャリア形成を支援したい日本プロ野球選手会と、國學院大學の知をもって健やかな社会の創造に寄与したいと考える考えが共鳴し、協定の締結に至った。

 今回の協定締結を受け、日本プロ野球選手会理事長・中日ドラゴンズの大島洋平選手は、「セカンドキャリアについては、これまでも意識改革のための活動をしてきたがまだ課題が残っています。今回の協定で新しい可能性が出てきたので、たくさんの選手がセカンドキャリアへの心配がなくなるよう制度を広めていきたいです」と引退選手のセカンドキャリア支援を積極的に行っていく考えを示した。

大学ジャーナルオンライン編集部

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