宇宙最大級の爆発現象「ガンマ線バースト」の解明に向け、山形県山形市の山形大とNASA(米航空宇宙局)が研究協力で合意しました。山形大によると、日本の大学がNASAと合意文書を結んだ例は過去にないといい、ガンマ線の検出器を共同開発し、早ければ2022年の国際宇宙ステーションに搭載、観測することにしています。
ガンマ線バーストは、高エネルギーのガンマ線が一瞬で放出される爆発現象で、1日に数回の割合で発生しています。大きな質量を持つ星が生涯を閉じるときに起こす超新星爆発などが原因ともいわれていますが、詳しい解明はまだできていません。
研究協力はNASAのマーシャル宇宙飛行センターと結びました。山形大大学院の郡司修一教授らがセンター内に研究スペースを置き、ガンマ線バーストの解明に必要な偏光度検出器の高精度化に手を着けます。
郡司教授らは理化学研究所や金沢大と偏光度検出器の共同開発に成功し、宇宙航空研究開発機構の宇宙無人実証機「イカロス」に検出器を搭載して観測をしてきました。ガンマ線の波の振動方向がそろう偏光現象を突き詰めることで、解明につながるという手がかりを得ましたが、観測データが少なく、研究をさらに加速するため、NASAと共同で研究を進めることにしました。
郡司教授らは大学院生を派遣して既にNASAで関連データの収集に入っており、山形大で記者会見した郡司教授は「学生を活発に派遣し、観測の実現を目指したい」と抱負を述べました。