2017年12月1日、東京大学医学部3年生の飯山智史さんと工学部3年生の町田紘太さんは、国連ニューヨーク本部で開催された「災害や紛争時の障害者の権利に関するパネル・ディスカッション」に、世界の若者の代表として招待され、国連の持続可能な開発目標(SGDs)※の達成を目指す「東京大学EMPOWER」の活動を紹介した。
東京大学の学生が参加したこのパネル・ディスカッションは、国連経済社会局が開催したもの。障害者権利条約の起草プロセスを取りまとめたルイス・ガジェゴス元エクアドル国連大使の司会のもと、UNICEFや世界銀行、非政府組織の代表が参加。この様子は世界に同時中継された。
「東京大学EMPOWER」は、東京大学の学生が発端となり、「協力が必要な時は、お声を!」 という意味の「マゼンタスター」をシンボルマークにした「協力者カミングアウト」を推進する、持続可能な開発目標(SDG目標)達成のための国際プロジェクト。国連ニューヨーク本部で集中講義を行う全学自由研究ゼミナール「国連と文化」受講生を中心に結成された学生団体「UNiTe」のメンバーを中心に、教養学部・総合文化研究科教養教育高度化機構国際連携部門のプログラムの一環として、電通ダイバーシティ・ラボの協力のもと活動している。
今回の発表では、一般的な妊産婦、障害のある人等の「当事者」がマタニティマークやヘルプマーク等をつける「当事者」カミングアウトだけでなく、「席を譲りたいが、声をかける勇気がでない」人たちなど、個人の属性に関わらず、「協力者」がカミングアウトを行う「みんなの違いが力になる社会作り」を提案。国連が提唱する障害の「社会モデル」に基づき、2020年東京オリンピック・パラリンピックでの「おもてなし」と、SDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会実現に向け、交通機関や街の「物理的」アクセシビリティー、市民一人一人の「態度」や「行動」のアクセシビリティーの向上の必要性を呼びかけた。
今後も、「東京大学EMPOWER」は、教養教育高度化機構のプログラムの一環として、電通ダイバ-シティ・ラボ、国連職員、アーティスト、そして世界中の若者や新しいパートーナーとも協働し、SDGsの達成に向けて、活動を続けていく予定。
※持続可能な開発目標(SGDs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「 持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの 国際目標。持続可能な世界を実現するための17のグローバル目標と169の達成基準で構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っている。