2022年度の入学者が定員より少ない定員割れの私立大学が47.5%に達することが、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。この数字は1999年度の調査開始以来最も多く、特に地方の私立大学や小規模校で定員割れが加速している。
調査は募集停止中などを除く全国598校の5月1日現在のデータを集約した。それによると、定員割れは前年度より7校多い過去最多の284校に上った。私立大学の定員全体に占める入学者の割合を示す定員充足率は100.8%で、調査開始後初めて100%を下回って99.8%となった前年度を1.0ポイント上回った。
地域別でみると、三大都市圏の定員充足率は前年度を1.5ポイント上回る102.1%と回復したが、東京周辺を除く関東地方は5.1ポイント減、愛知を除く東海地方は4.2ポイント減と減少が加速した。
文部科学省は人口の東京一極集中を緩和する目的で2016年度から定員超過の私立大学に対する補助金交付を厳格化し、2020年度まで地方の私立大学や小規模校の定員割れに改善傾向がでていた。
しかし、2021年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて海外からの留学生が途絶え、全国的に定員割れが加速した。2022年度はコロナワクチン接種の普及などから地元の大学を選んでいた層が大都市圏の有名私大を目指した可能性があると、日本私立学校振興・共済事業団はみている。